2014年から導入開始された「NISA(少額投資非課税制度)」は、年間の投資金額が100万円までなら投資で得た利益が課税されないという制度。
ジュニアNISAとは、このNISAの子ども版で、子どもや孫の将来に向けた資産運用のための制度です。
これまで教育費の貯金といえば「学資保険」が定番でしたが、もっと積極的な資産を!と考えるなら、2016年から新たにスタートする「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」がオススメ。
ただし、成人NISAとジュニアNISAの違いやデメリットを正しく理解しないと損をしてしまう可能性があるので要注意!
NISAとは?
通常であれば、投資で得た利益に対して約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すると年間の投資金額が100万円までなら投資で得た利益が課税されないので、従来の一般口座で投資するよりも税金分がお得になります。
一般の口座だと税金が約20%かかるので、利益の手取りは8万円。
NISAの口座だと税金がかからないので、利益の手取りは10万円。
非課税になる期間は最大5年間で、投資金額の合計500万円まで使えます。
非課税の対象となるのは、金融商品の利益(売買益、分配金、配当金など)。
NISAの口座はひとり1口座だけ開設でき、銀行や証券会社などで手続きを行います。
金融機関によって取り扱う金融商品の種類が違いますが、2015年からは金融機関を変更することができるようになりました。
ただ、注意点があります。
例えばある年に投資した金額の合計が70万円だとしても、残りの30万円を翌年に繰り越しすることはできません。
また、上限100万円までの非課税のうち、一部を現金化しても、その分を別の商品に再投資することはできません。
つまり、100万円は1年分の使い切りというワケです。
1年間の投資額が、A株10万円、B株40万円、投資信託20万円、MMF30万円で、MMFの30万円を売却した場合、売却してもその分の枠が空くわけではなく、売却した分の30万円の再利用はできません。
また、2016年にNISA口座で100万円分投資して20万円分の枠が余っても、その分を2017年に繰り越して翌年の投資額を20万円増やすことはできません。
2016年~のNISAはココが違う!
2015年までのNISAは、非課税枠の上限金額が100万円でしたが、マイナンバー制度の実施でジュニアNISAが新設されるのに伴い、NISAの非課税枠も120万円まで拡大されることになりました。
また、2015年までにNISAの口座を開設している人や、新規の口座開設時でもマイナンバーの提示が求められます。
ジュニアNISAとは?
2016年1月からスタートしたマイナンバー制度に伴い、ジュニアNISAが創設されます。
ジュニアNISAの口座開設の手続きでもマイナンバーの提示が求められます。
対象となるのは0~19歳の未成年者で、非課税枠は80万円まで。
NISA同様、投資先は株式や投資信託などです。
最大5年間、NISAの投資枠内で運用して得られる譲渡益、分配金、配当金に対して税金がい課税になるのは成人NISAと同じ!
親などの管理の下、投資を行いますが、投資のための資金は、両親の他、おじいちゃん
おばあちゃん・第三者からでもOK!
ただし、18歳までは払い出しに制限がかかります。
災害などやむを得ない状況でない限り、3月31日時点で18歳である年の前年の12月31日まで払い出しができません。
18歳にまでは途中で払い出しすると、発生した利益に対して課税されるので注意が必要。
口座名義人が成人になると、成人のNISAに自動的に移行され、120万円まで非課税枠が拡大します。
ジュニアNISAのデメリット
- いったん口座を開設すると、その後の金融機関の変更ができない
- 元本割れのリスクがある
- 18歳までに引き出すと過去にさかのぼって課税される
投資対象である株式や投資信託には元本割れのリスクがあり、資金が目減りすることは十分に考えられます。
学資保険を教育資金準備の中心として、余裕のあるお金でジュニアNISAを取り入れるのがベストな組み合わせでしょう。
ジュニアNISAとNISAの違い
ジュニアNISA |
NISA |
|
---|---|---|
年齢 |
0~19歳 |
20歳以上 |
年間の投資上限金額 |
80万円 |
120万円 |
必要書類 |
マイナンバー |
基準日の住所が記載された住民票・除票など |
投資期間 |
2023年(平成35年)まで |
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投資対象 |
株式、投資信託など |
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非課税対象 |
運用される株式、投資信託などでの利益・配当金 |
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非課税期間 |
投資した年から最長5年間 |
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運用管理 |
原則として親権者が代行運用し、18歳までの払い出しが不可能 |
払い出しに制約なし |